中毒：一般情報

偶発的な中毒や故意の自傷（故意の中毒）は、救急外来の受診や死亡の一般的な原因です。

中毒に関する一般情報

中毒とは、毒性のある物質との接触です。症状は様々ですが、特徴的な症候群から毒性物質の種類を特定できる場合があります。診断は主に臨床データに基づいて行われますが、中毒によっては尿検査や血液検査が重要になる場合があります。ほとんどの中毒の治療は対症療法であり、特定の解毒剤が必要となるのはごく一部のケースのみです。

中毒の予防には、薬のパッケージに明確にラベルを貼り、毒物を子供の手の届かないところに保管することが含まれます。

ほとんどの中毒は用量依存性があります。中毒は、通常は無毒である物質に過剰に曝露することで発生することがあります。また、一部の物質は、いかなる量でも毒性を示します。中毒は、予測不可能で用量に依存しない過敏症や特異体質、そして不耐性（通常は無毒である物質の用量に対する毒性反応）とは異なります。

中毒は通常は摂取によって起こりますが、注射、吸入、または体表面（皮膚、目、粘膜）との接触によっても起こる可能性があります。

食品以外の物質で摂取される最も一般的なものは無毒ですが、ほとんどすべての物質は過剰摂取すると有毒になる可能性があります。好奇心旺盛な幼児は、有毒な味や臭いにもかかわらず、物を無差別に飲み込んでしまうため、中毒事故はよく起こります。通常、摂取するのは単一の物質です。年長児、青年、そして自殺を図ろうとする成人にも中毒事故はよく見られます。この場合、複数の有毒物質（アルコール、パラセタモール、その他の市販薬）が関与している可能性があります。高齢者の中毒事故は、物忘れ、視力低下、精神疾患、あるいは複数の医師による同じ薬の処方などが原因で起こることがあります。

殺害または無力化（例えば、強盗や強姦）を目的とした中毒は起こり得ます。一時的な無力化に使用される薬剤は、通常、鎮静作用と健忘作用を有します（スコポラミン、ベンゾジアゼピン、ヒドロキシ酪酸誘導体など）。

飲み込んでも通常は無害な物質

• 収斂剤
• 硫酸バリウム
• 浮かぶお風呂のおもちゃ
• 学校用チョーク（炭酸カルシウム）
• キャンドル（殺虫剤/忌避剤キャンドルは有毒である可能性があります）
• カーボワックス（ポリエチレングリコール）
• カルボキシメチルセルロース（医薬品、フィルムなどの包装に使用される脱水剤）
• ヒマシ油
• セチルアルコール
• 避妊薬
• 鉛筆（子供用、AP、SR、またはCS 130-46のマーク付き）
• ジクロラール（除草剤）
• 乾電池（アルカリ）
• グリセロール
• グリセリルモノステアレート
• 黒鉛
• 樹脂（アラビアゴム、寒天）
• インク（ペン1本分）
• ヨウ素塩
• カオリン
• ラノリン
• リノール酸
• 亜麻仁油（非沸騰）
• 口紅
• ケイ酸マグネシウム（制酸剤）
• マッチ
• メチルセルロース
• 鉱物油（吸引されていない場合）
• 粘土やその他の造形材料
• 塩素化パラフィン
• 鉛筆の芯（グラファイト）
• 黒コショウ（大量吸入を除く）
• ワセリンオイル
• ポリエチレングリコール
• ポリエチレングリコールステアレート
• ポリソルビトール
• パテ
• シェービングクリーム
• 石英（二酸化ケイ素）
• スペルマセティ
• ステアリン酸
• 甘味料
• タルク（吸入した場合を除く）
• ホイールグリース
• 温度計からの液体（液体水銀を含む）
• 酸化チタン
• トリアセチン（グリセリルトリアセテート）
• 子供用マルチビタミン（鉄分入り・鉄分なし）
• 鉄分を含まないマルチビタミン

*これは目安です。記載されている物質は、フェノール、ガソリン、その他の有毒物質と混ざる可能性があります。中毒情報センターで情報を得ることができます。ほぼすべての物質は、一定量を超えると有毒になる可能性があります。

医学の知識のある親が、はっきりしない心理的理由から、または医療援助を得るために、子供を中毒させるケースがあります（ミュンヒハウゼン症候群を参照）。

ほとんどの毒物は代謝され、消化管を通過するか、腎臓から排泄されます。場合によっては、錠剤（アセチルサリチル酸、鉄剤、保護殻付きカプセル剤）が消化管内で大きな塊（胃石）を形成し、体内に留まって吸収され続けることで中毒を悪化させることがあります。

中毒の症状

中毒症状は毒物によって異なります。さらに、同じ物質によって中毒になった患者でも、症状は大きく異なる場合があります。しかし、6つの症状群（中毒症候群）は特徴的と考えられており、特定の毒物のクラスを示すことができます。複数の物質を摂取した患者が、個々の物質に特徴的な症状を発症する可能性は低いと考えられます。

中毒の症状

中毒の診断

診断の第一段階は、患者の全身状態の評価です。重度の中毒の場合は、急性心血管不全（虚脱）を治療するための緊急処置が必要になる場合があります。

入院時に中毒の事実が判明する場合もあります。説明の困難な症状、特に意識の変化を伴う患者では、中毒を疑うべきです。成人における故意の服毒は、複数の毒性物質の使用の可能性を示唆します。既往歴が重要な役割を果たす場合もあります。

中毒の診断

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中毒の治療

重度の中毒患者には、人工呼吸器や心血管虚脱の治療が必要となる場合があります。意識障害がある場合は、継続的な監視と拘束が必要となる場合があります。

様々な物質による中毒の治療法は表に示されています。軽症を除き、中毒情報センターへの相談が推奨されます。

中毒の治療