正常な腎臓と尿管の超音波徴候

正常な腎臓の超音波所見

超音波検査中に取得される測定値は、通常、放射線検査中に取得される同じパラメータよりも低い値になり、より正確です。

成人では両方の腎臓はほぼ同じ大きさであるべきであり、腎臓の長さの差が 2 cm 以上ある場合は病理学的です。

1. 長さ: 最大12cm、9cm以上。
2. 幅: 4 ～ 6 cm の幅が正常と考えられていますが、スキャン面によって若干異なる場合があります。
3. 厚さ: 最大 3.5 cm ですが、スキャン面によって若干異なる場合があります。
4. 中心エコー複合体（腎洞）は高いエコー輝度を呈し、通常、腎臓の約3分の1を占めます。（腎洞には腎盂、腎杯、血管、脂肪組織が含まれます。）

新生児の腎臓の長さは4cm、幅は2cmです。

腎錐体は境界が不明瞭な低エコー領域です。髄質層からの投影では、腎錐体はよりエコー輝度の高い腎皮質に囲まれています。小児および若年成人では、腎錐体の描出が容易です。

腎臓を検査する際には、以下の構造を特定する必要があります。

1. 腎被膜。腎臓の周囲に明るく滑らかなエコー線として描出されます。
2. 皮質。肝臓よりもわずかにエコー輝度が低いが、隣接する腎錐体よりもエコー輝度が高い。
3. 髄質層: 腎嚢胞と間違われる可能性のある低エコーの腎錐体が含まれています。
4. 腎洞（腎門部の脂肪組織、集合管、血管）。腎臓の内部にあり、高いエコー輝度を示します。
5. 尿管。正常な尿管は必ずしも目視できるわけではなく、腎臓門からどこから尿管が排出されているかを推測することしかできません。尿管は1本の場合もあれば複数本の場合もありますが、多くの場合、前頭断面で観察できます。
6. 腎動脈と腎静脈。腎門部で最もよく観察できます。複数存在する場合があり、腎臓の異なるレベルから流入することもあります。

警告：腎錐体は腎嚢胞や腫瘍と誤診される可能性があります。機器の感度レベルを調整してください。

副腎の超音波所見

副腎は超音波検査では容易に描出できません。最適な体位は、患者を仰臥位にし、下大静脈と同様にスキャンし、横向きに寝かせた状態です（これにより前額面像が得られます）。副腎は腎臓の上内側に位置します。副腎が描出された場合は、乳児を除き、病的に腫大している可能性が高いです。