心膜炎の原因は何ですか？

急性心膜炎は、感染過程、結合組織疾患、尿毒症、外傷、心筋梗塞、または特定の薬物の影響を受けて発生します。感染性心膜炎の原因は、ほとんどの場合ウイルスです。化膿性細菌性心膜炎はまれですが、感染性心内膜炎、肺炎、敗血症を伴う場合があり、外傷または心臓手術の結果としての感染症で発生することもあります。原因が特定できない場合（非特異的または特発性心膜炎）が多いですが、これらの症例の多くはウイルスが原因と考えられます。一般的に、ウイルス性および特発性心膜炎と診断されることが多いです。急性心筋梗塞は、急性心膜炎の症例の10～15％を引き起こします。心筋梗塞後症候群（ドレスラー症候群）はそれほど一般的ではない原因であり、経皮的冠動脈形成術（PCA）または血栓溶解療法で血流が回復しない場合に発生します。心膜切開術後の心膜炎（心膜切開術後症候群）は、心臓手術全体の5～30％で発生します。

急性心膜炎の原因

• 特発性
• 感染性
  • ウイルス（ECHO グループウイルス、インフルエンザウイルス、コクサッキーグループ B、HIV）。
  • 細菌（連鎖球菌、ブドウ球菌、グラム陰性細菌、小児ではインフルエンザ菌）。
  • 真菌性（ヒストプラズマ症、コクシジオイデス症、カンジダ症、ブラストミセス症）。
  • 寄生虫（トキソプラズマ症、アメーバ症、エキノコックス症）
• 自己免疫疾患（RA、SLE、全身性硬化症）
• 炎症性（アミロイドーシス、炎症性腸疾患、サルコイドーシス）
• 尿毒症
• けが
• 心筋梗塞
• 心筋梗塞後症候群（ドレスラー症候群）
• 医薬品（ヒドララジン、イソニアジド、フェニトイン、プロカインアミドの使用によるものを含む）

*エイズ患者がリンパ腫、カポジ肉腫、または特定の感染症（マイコバクテリウム・アビウム、結核、ノカルジア、その他の真菌性またはウイルス性感染症）を発症すると、心膜炎が発生する可能性があります。結核性心膜炎は、米国では急性または亜急性心膜炎の症例の5%未満を占めますが、インドとアフリカの一部地域では症例の大部分を占めています。

慢性心膜液貯留または収縮性心膜炎は、急性心膜炎を引き起こすほぼすべての疾患に加え、結核、腫瘍、放射線治療、心臓手術などによっても発生する可能性があります。慢性心膜炎の原因が不明な場合もあります。多量の心膜液貯留（漿液性、漿液血性、または出血性）を伴う心膜炎は、通常、転移性腫瘍によって引き起こされ、最もよく見られるのは肺がん、乳がん、肉腫（特に悪性黒色腫）、白血病、またはリンパ腫です。

心膜線維症は、化膿性心膜炎、心筋感染症（若年者では心筋炎が一般的）、または結合組織疾患によって引き起こされる可能性があります。高齢患者では、悪性腫瘍、心筋梗塞、結核が一般的な原因です。心膜血腫（心膜腔への血液貯留）は、心膜炎または心膜線維症につながる可能性があります。一般的な原因としては、胸部外傷、医原性損傷（例：心臓カテーテル法、ペースメーカー植込み術、中心静脈アクセス）、胸部大動脈瘤破裂などが挙げられます。