尿中ナトリウム濃度の高低の原因

尿中ナトリウム排泄量の基準値（標準値）：男性 - 40～220 meq/日（mmol/日）、女性 - 27～287 meq/日（mmol/日）。

ナトリウムは主に腎臓から体外に排泄されます。この排泄は、主に副腎皮質と下垂体後葉のホルモンによって調節されています。通常、尿中のナトリウム排泄量は、朝に明確なピークを迎えるカリウム排泄量とは異なり、一日を通して比較的一定です。それに伴いK/Na比も上昇し、これはグルココルチコステロイドの活性と相関します。アルドステロンは体内のナトリウム貯留を引き起こし、尿中のK/Na比を上昇させます。

ナトリウムは閾値物質であり、血中濃度の上昇は排泄量の増加につながります。体内のナトリウムバランスを判断するには、血中と尿中のナトリウム含有量を同時に測定する必要があります。

尿中のナトリウム排泄を変化させる疾患および状態

ナトリウム排泄量の増加	ナトリウム排泄量の減少
ナトリウム摂取量の増加 月経後利尿 塩分喪失を伴う腎炎 副腎機能不全 腎尿細管性アシドーシス（ライトウッド症候群） 利尿薬による治療 糖尿病 ADH不適切分泌症候群 アルカローシス アルカリ性尿の排出を伴う症状	ナトリウム摂取不足 月経前のナトリウムと水分の貯留 副腎皮質機能亢進症 十分な水分摂取による腎外ナトリウム喪失 手術後の最初の24～48時間（ストレス性利尿症候群） うっ血性心不全などのGFRが低下する病気 急性乏尿および腎前性高窒素血症（乏尿を伴う急性尿細管壊死とは対照的）

尿中ナトリウム濃度と利尿量から毎日のナトリウム排泄量を研究することで、主要な生理学的ナトリウム損失を評価することができます。尿中Na/K比は副腎のミネラルコルチコイド機能の間接的な指標であり、ストレスのない状態では3～3.3です。