男性の身体における女性ホルモン：その影響と役割

女性ホルモンは男性の体において非常に重要な役割を果たしており、女性の体におけるテストステロンに劣らず重要です。残念ながら、このテーマに関する研究は非常に少ないため、男性のスポーツ活動における女性ホルモンの役割については、かなりの憶測に基づいて議論される可能性があります。すべての女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲスチンに分けられます。

エストロゲン（エストラジオール、エストリオール、エストロン）のうち、最も活性が高く重要なのはエストロンです。末梢組織（特に脂肪層と肝臓）の過剰なテストステロンは、エストリオールに転化される傾向があります。プロゲスチンの中では、プロゲステロンが私たちのテーマで最も重要です。女性の体内のエストロゲンは副腎と卵巣で産生され、男性の体内では過剰な男性ホルモンがエストラジオールに変換されます。血液中では、ほとんどのエストロゲンはグロブリン（SHBG）に結合しており、これはテストステロンに結合するものと同じです。

男性の体内におけるエストロゲンの過剰と欠乏はどちらも、視床下部-下垂体-精巣弓の活動低下につながり、ひいては男性自身のテストステロン産生の減少につながります。男性の血中エストロゲン濃度の過剰な上昇は、45～50歳頃から自然に始まります。同時に起こる加齢に伴うテストステロン産生の低下と相まって、心血管系の問題、記憶障害、免疫力の低下に関連する疾患、加齢性女性化乳房など、様々な非常に不快な障害を引き起こします。

奇妙なことに、しかし同時に、男性の身体におけるエストロゲンの影響下では、気分や全般的な活力が高まることが実験的に観察されています。また、一部の科学者は、アナボリックステロイド使用中の男性の性活動の増加とエストラジオールの高レベルを関連付けています。男性の血中エストロゲンレベルの上昇によるプラス効果も観察されていますが、これは単に何かに効果があるというだけでなく、最も神聖なもの、つまり筋肉量の増加にまで影響を及ぼします。この効果は、エストロゲンが体内の成長ホルモンとインスリン様成長因子のレベルを高める能力と関連しています。ここでも重要なのは、テストステロンとエストロゲンの比率です。あるレベルを下回ると良くなく、上回るとさらに悪くなります。アンドロゲンをエストラジオールに変換する能力は、アンドロゲンにいくつかの有用な特性を与えます。芳香化薬は、非芳香化薬よりも細胞内のグリコーゲン蓄積を著しく促進します。また、このような薬の使用はアンドロゲン受容体の調節にもつながり、これも重要です。

プロゲステロンについても全く同じことが言えます。このホルモンはテストステロンとエストラジオールの中間のような働きをします。プロゲステロンは副腎皮質で産生されますが、女性の体内では主に黄体で生成されます。

プロゲステロンは中枢神経系を鎮静させる作用があり、早漏に悩む男性の性機能改善に役立ちます。さらに、筋肉の成長を促進するためにプロゲステロンを摂取するアスリートもいます。プロゲステロンは食欲を刺激し、体内の水分とナトリウムを保持するからです。しかし、これはすべて、男性の血中プロゲステロン濃度が一定値を超えない場合に当てはまります。プロゲステロンの過剰は、エストロゲンの過剰と同様に深刻な結果をもたらします。女性化乳房や筋肉量の減少など、様々なリスクが伴います。

上記のすべてから何が導き出されるでしょうか？女性ホルモンは男性にとって味方にも敵にもなり得ます。重要なのは、血中女性ホルモン量とテストステロン量の比率です。芳香性および黄体形成性のアナボリックステロイドを恐れる必要はありません。女性ホルモンに変換されるため、芳香性のないアナボリックステロイドよりもはるかに効果的に作用します。重要なのは、いつ止めるべきかを知ることです。味方が敵に変わる境界線を越えないようにすることです。

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