早発閉経は筋骨格系の痛みとサルコペニアのリスクを増加させる

筋骨格系の痛みは更年期障害の一般的な症状であり、特に50歳前後で女性が男性よりも痛みを経験する傾向がある理由を説明しています。痛みに加えて、更年期障害は筋肉の機能と量にも影響を及ぼします。

新たな研究によると、早期の外科的閉経は筋疾患のリスク増加につながる可能性があることが示唆されています。この調査結果は、「閉経後後期の女性における筋疾患の関連性（閉経のタイプ別）」と題された論文として、医学誌「Menopause」にオンライン掲載されました。

全米女性の健康に関する調査では、更年期によく見られる症状がいくつか明らかになりました。特に、更年期に最も多くみられる症状は筋肉のこわばりで、40歳から55歳の米国女性の54%が影響を受けていることが確認されました。

この時期は、卵巣ホルモンのレベルが著しく低下する時期でもあります。自然閉経または手術による早期閉経を経験した女性では、この低下はさらに顕著になります。さらに、早期閉経の女性ではテストステロンのレベルも著しく低下することが示されています。

これらの事実を踏まえ、研究者らは、55歳以上の閉経後後期女性における様々なタイプの閉経が筋肉の不快感と機能に及ぼす影響を評価することを目的とした新たな研究を実施しました。約650人の女性を対象としたこの研究では、早期外科的閉経を経験した女性は、45歳以上で自然閉経を経験した女性よりも、筋骨格系の不快感とサルコペニアを発症する可能性が高いことがわかりました。研究者らは、閉経後後期における疼痛と筋力低下は、実年齢よりもホルモン不足とより密接に関連していることを示唆しました。

「この研究は、自然閉経よりも急激かつ完全なエストロゲンやテストステロンなどの卵巣ホルモンの喪失を引き起こす早期外科的閉経が、筋骨格系に長期的な影響を及ぼす可能性があることを浮き彫りにしています。自然閉経年齢前にホルモン療法を行うことで、早期エストロゲン喪失による長期的な悪影響の一部を軽減できる可能性があります」と、更年期学会の医療ディレクター、ステファニー・フォービオン博士は述べています。