ウイルスカクテル：コレラの新しい治療法

科学者たちは、3種類のウイルスを含む飲料をコレラに感染した動物に投与する実験に成功しました。実験の詳細は、科学誌「ネイチャー・コミュニケーション」に掲載されています。

ファージ療法は数年前から知られており、非常に有望な方向性と考えられています。科学者による最新の研究は、バクテリオファージウイルスが腸管感染症の蔓延を予防・阻止する能力を研究することを目的としていました。

このプロジェクトの主催者であるハワード・ヒューズ医学研究所のアンドリュー・カミリ教授は、バクテリオファージが将来、コレラのパンデミック蔓延を阻止できる可能性があると考えています。この病気は、主に発展途上国で毎年約400万人が罹患しています。コレラは患者に重度の脱水症状を引き起こし、すぐに死に至る可能性があります。

科学者たちは、もう少し以前からこの問題を研究していました。彼らの目標は、コレラ菌を選択的に攻撃できるバクテリオファージを見つけることでした。発見されたように、自然環境においてコレラ菌には膨大な数の天敵が存在します。

科学者たちは、ヒトの腸管腔内のコレラ菌を殺す能力を持つウイルスを分離しました。3種類のウイルスが微生物構造の表面受容体を包み込み、病原体に侵入して細胞を内側から損傷させました。

実験中、専門家らは、コレラ菌の標準投与量から数時間後に、必要なウイルスを含むカクテルを異なる量で齧歯類に投与した。その結果、感染後3時間以内にカクテルを摂取した場合、50%以上の齧歯類において病気の発症が予防された。

感染後1日でこの飲み物を摂取した場合、対照群と比較して微生物量は約500分の1に減少しました。このカクテルの最大の効果は、感染後12時間以内に発現することがわかりました。

さらに、コレラに罹患したげっ歯類はバクテリオファージを摂取している間は重篤な脱水症状の兆候を示さなかったことが確認された。つまり、バクテリオファージの投与を受けなかった動物と比べて、病気の症状は比較的軽度であった。

次に、科学者たちはコレラ病原体のウイルスカクテルに対する耐性を試験しました。試験の結果、ビブリオ菌が1つまたは2つのウイルスに対する感受性を失った症例もありましたが、3つのウイルスに対する感受性の喪失はどの症例でも認められませんでした。興味深いことに、ウイルスに対する耐性を獲得した微生物はコレラを引き起こす能力を失い、無害になりました。

「必要なウイルスを特定・分離し、臨床現場で活用できるようになるまで、私たちはほぼ10年を費やしてきました。コレラを撲滅し、地球上のすべての人々を救う真の薬を手に入れたと確信しています」とカミリ教授は締めくくった。

この研究は、国立アレルギー・感染症研究所とハワード・ヒューズ医学研究所の支援を受けて行われた。