乳がんの治療を受けた若い女性のほとんどが子どもを持つことができる

ダナ・ファーバーがん研究所の研究者による新たな研究は、乳がんを乗り越えて子供を産みたいと考えている若い女性たちに勇気づけとなるニュースを提供している。

乳がん治療を受けた約200人の若い女性を追跡調査した研究では、治療後平均11年間妊娠を試みたものの、そのほとんどが妊娠し出産できたことが判明した。

2024年の米国臨床腫瘍学会（ASCO）年次総会で発表されるこの研究結果は、乳がん生存者の妊娠率と出生率に関するこれまでの研究では答えが出ていなかったいくつかの疑問に答えるものであるため、特に重要であると研究著者らは述べている。

「これまでの研究は、特定の患者サブグループを対象とし、追跡期間も比較的短く、研究期間中に妊娠を試みたかどうかを参加者に尋ねていなかったため、限界がありました」と、ダナファーバーがん研究所の若年成人乳がんプログラムの創設者兼ディレクターであり、本研究の主任著者であるアン・パートリッジ医学博士（公衆衛生学修士）は述べています。「本研究は、乳がんサバイバーとがん診断後に妊娠を試みたと回答した患者集団の妊娠率と出生率を追跡することで、こうしたギャップを埋めることを目的として設計されました。」

本研究の対象患者は、40歳未満で乳がんと診断された女性群の健康状態を追跡する「若年女性乳がん研究」の参加者でした。対象となる1,213人の参加者のうち、平均11年間の追跡調査期間中に197人が妊娠を試みていると報告しました。このグループの診断時の平均年齢は32歳で、そのほとんどがホルモン陽性乳がんと診断されました。参加者は定期的に、妊娠を試みているかどうか、また妊娠・出産したかどうかを尋ねられました。

研究期間中、妊娠を希望した女性の73%が妊娠し、65%が生児を得たことが研究者らによって明らかになった。がん治療開始前に卵子／胚を凍結保存して妊孕性温存を選択した女性は生児率が高く、高齢の参加者は妊娠率と生児率が低いことが分かった。

研究参加者の乳がんの病期は、非浸潤性で乳管内にとどまっているステージ0から、がんがリンパ節に転移しているステージIIIまで様々でした。研究者らは、診断時の乳がんのステージと妊娠または生児出産の達成との間に統計的な関連は見られないことを明らかにしました。

「乳がんを患う多くの若い女性にとって、治療後に子供を産めるかどうかは大きな懸念事項です」と、ダナ・ファーバー研究所のキミヤ・ソルリ医学博士（公衆衛生学修士）は述べています。「私たちの研究結果は、患者さんに妊孕性についてカウンセリングする際に役立つ可能性があります。治療前の卵子／胚の凍結が生児率の向上と関連していたという知見は、この患者集団に対して妊孕性温存サービスが提供される必要性を浮き彫りにしています。」