ビタミンCは腎臓結石の原因になる

カロリンスカ大学（スウェーデン）の科学者たちは、ビタミンCサプリメントの摂取と腎臓結石の形成との関連性を発表しました。寒い季節には、多くの成人が免疫力を高め風邪を予防するためにビタミン複合体を摂取しますが、これまでビタミンCを過剰に摂取することが健康に危険をもたらすとは誰も考えていませんでした。

スウェーデンの科学者らが行った研究結果によると、患者のビタミンC摂取量に応じて腎結石のリスクが高まることが示されています。医師たちは、アスコルビン酸自体が腎臓内で異物を形成する可能性があるとは主張していませんが、泌尿生殖器系に問題を抱えたことがある人にはビタミンCの過剰摂取に注意するよう警告する必要があると考えています。

この研究は11年以上にわたって行われ、多数の中高年男性を観察することから構成されていました。医師はボランティアの検査を監視し、ボランティアは健康やライフスタイルに関連するいくつかの質問にも答えました。実験の参加者総数は約23,000人で、そのうちビタミンCサプリメントを定期的に摂取していたのはわずか900人でした。データを徹底的に分析した結果、460件の腎臓結石形成症例を特定することができました。医師たちは、追加のサプリメントの形でビタミンCを摂取する習慣がある中高年男性に、腎結石症のリスクが最も高いことを発見しました。ビタミンCの許容投与量は100mg /日で、投与量が増えると腎臓結石の可能性が2倍になります。

研究で得られたデータを比較すると、ビタミンCを乱用した人のうち4%に尿路結石がみられました。アスコルビン酸の追加摂取をしていない人のうち、腎結石を患っているのはわずか1.4%です。カロリンスカ大学の医師たちは、この関係の理由として、ビタミンCがシュウ酸塩の形で尿とともに体外に排出されることを挙げています。シュウ酸塩は腎臓結石の主成分の一つです。腎臓結石は、小さな結晶を形成する化合物から形成されます。結石は尿とともに自然に排出される場合もありますが、より複雑な症例では外科的介入が必要になります。

科学者たちはビタミンサプリメントの使用を完全にやめることを推奨していませんが、ビタミンCの摂取量が多すぎないマルチビタミン複合体に注目するよう勧めています。専門家は、ビタミンCの過剰摂取による尿路結石は、女性や泌尿生殖器系に問題を抱えたことのない人には起こりにくいと指摘しています。いずれにせよ、アスコルビン酸の1日あたりの摂取基準は100mg以下です。天然由来の食品からビタミンCを摂取できない場合は、マルチビタミン複合体に注目するべきです。