バクテリアを検出するポータブル機器はすでに存在する

ラトガース大学の研究チームは、さまざまな種類の細菌を検出・同定し、抗生物質に対する感受性を判定し、さらにはサンゴ礁に生息する藻類の組成分析まで行うことができる、独自の携帯型装置を開発しました。研究者たちは、この発明について科学誌「Scientific Reports」に発表しました。

「私たちの目標は、細胞構造の状態を判定する新たな手法を開発することでした。この手法では、高価で入手困難なゲノムデバイスを使用する必要はありません」と、プロジェクトリーダーの一人であり、ラトガース大学環境生物科学部の生化学・微生物学博士であるデバシッシュ・バッタチャリア氏は述べています。「この新技術により、生体構造の状態について、実験室に送ることなく迅速に結論を導き出すことができます。これは、様々な生態系の代表的な生物のストレスレベルを緊急に指標化するのに役立ちます。」

この技術の開発は、プロジェクトの当初から、様々な微生物、特に単細胞藻類に対する水温の汚染度と影響度を評価することを目的として進められました。この点において、この装置は、細胞構造がストレス状態にあるかどうか、そして何が問題なのかを迅速に判断することを可能にしました。その本質は、人間の髪の毛よりも直径の小さい内腔を持つ微細なチャネルを微生物が連続的に通過することにあります。この通過中に、装置内に形成される複雑な電気抵抗指標が測定されます。得られた値は、微生物の大きさと物理的状態、つまり細胞ストレスのレベルを反映する要因を反映しています。

科学者たちは、電気抵抗測定が単一細胞だけでなく集団全体に適用できることを実証しました。研究者たちは、この装置を用いてサンゴ礁に生息する様々な微生物や藻類の抗生物質耐性を判定することを提案しています。これにより、石灰質の有機体地質構造の状態をモニタリングすることが可能になります。

サンゴ礁は、世界の海洋において最も生物密度の高い生態系の一つです。そこに生息する生物種の総数は100万種に達し、時にはそれを超えることもあります。これは、単細胞藻類（共生生物）の存在によるもので、共生生物の光合成活動は一年中止まることなく続いています。今日、この生態系の状態は科学者を不安にさせており、サンゴ礁の研究と監視には膨大な科学的資源が投入されています。

新たな科学的発展に関しては、科学者たちは、携帯機器を他の目的、特に医療目的に使用することについてはまだ予測を立てていません。

この新しい開発の詳細については、記事www.nature.com/articles/s41598-020-57541-6をご覧ください。