睡眠不足が常態化している人は2型糖尿病のリスクが高い。

jAMA Network Open誌に掲載された新しい研究によると、毎晩5時間以下しか眠らない人は、食生活に関係なく、2型糖尿病を発症するリスクが高いという。

研究者らは、英国バイオバンクの38歳から71歳（平均年齢56歳）の247,867人の参加者のデータを用いて、睡眠時間と食習慣、および2型糖尿病との関連性を検証した。本研究の平均追跡期間は12年であった。この期間中、参加者の3%（7,905人）が2型糖尿病を発症した。

研究者らは、長期間にわたる睡眠不足は、2型糖尿病の発症リスクの増加を含む様々な健康問題の一因となる可能性があると指摘しました。1日5時間以下の睡眠しか取らない人は、通常の睡眠時間の人に比べて2型糖尿病の発症リスクが高いことが分かりました。

「私にとっては驚きではない」と、この研究には関わっていないカリフォルニア州プロビデンス・セントジョンズ・ヘルスセンターの肥満専門医、プージャ・シャフィプール博士は語った。

「睡眠が十分でない、あるいは十分に眠れないと、インスリンレベルが乱れる可能性があります。翌日はいつもより空腹になり、食事量も乱れてしまいます。長期的には、糖尿病につながる可能性があります」とシャフィプール氏は述べた。

2型糖尿病のリスク、食事、運動

研究者らは健康的なライフスタイルが糖尿病のリスクを減らすことができると指摘した。

彼らは2021年に小規模な研究を実施し、高強度の運動が2型糖尿病の発症リスクを低下させることを示しました。

さらに、英国バイオバンクの参加者も使用した集団ベースのコホート研究では、睡眠時間が短くても定期的に身体活動をしている人は糖尿病の発症リスクが軽減される可能性があることが示されたと研究者らは指摘した。

「運動は、血糖値の調節に重要な骨格筋に直接作用します。運動はこれらの筋肉におけるグルコーストランスポーターの発現を刺激し、血流からのグルコースの吸収を改善します」と、本研究の著者の一人であり、スウェーデンのウプサラ大学薬学生物学部の助教授であるクリスチャン・ベネディクト博士は述べています。「複合炭水化物の摂取など、健康的な食生活を維持することも血糖値に良い影響を与えますが、睡眠不足による血糖コントロール障害の緩和という点では、運動ほど顕著ではないかもしれません。」

しかし、誰もがその評価に同意するわけではない。

「激しい運動が糖尿病のリスクを軽減する可能性があることには異論はありません。短期的には効果があるかもしれませんが、定期的な睡眠の代わりになるとは思いません」とシャフィプール氏は述べた。「食事と運動は重要ですが、睡眠も同様に重要です。」

2型糖尿病と睡眠に関する研究の限界

研究者らはさまざまな種類の食事について調査していないため、地中海式食事などの食事が睡眠時間が短い人の糖尿病リスクを軽減するかどうかは明らかではない。

さらに、この研究では主要栄養素と微量栄養素については調べていないため、それらが