研究：睡眠、ソーシャルメディア、そして10代の脳の活動に関連性

SLEEP 2024年次総会で発表される新しい研究により、睡眠時間、ソーシャルメディアの使用、実行制御と報酬処理に重要な脳領域の活性化の間に明確な関連性があることが判明しました。

結果は、青少年における睡眠時間の短さとソーシャルメディア利用の増加との間に相関関係があることを示している。分析は、これらの関係において、下前頭回や中前頭回といった脳の前頭辺縁系領域の領域が関与していることを示唆している。抑制の制御に重要な下前頭回は、青少年がソーシャルメディアなどの報酬刺激との相互作用を制御する上で重要な役割を果たしている可能性がある。一方、実行機能に関与し、報酬の評価と反応に不可欠な中前頭回は、ソーシャルメディアからの即時報酬と睡眠などの他の優先事項のバランスを取るための意思決定を導くために不可欠である。これらの結果は、青少年期における特定の脳領域と、デジタルメディア利用における行動および睡眠への影響との間の複雑な相互作用を示唆している。

「若い脳は大きな変化を遂げており、睡眠不足とソーシャルメディアへの過剰な関与が神経報酬に対する感受性を変化させる可能性があることを、私たちの研究結果は示唆しています」と、カリフォルニア州メンロパークにあるSRIインターナショナルの認知心理学者兼研究員であるオルソリア・キス博士は述べています。「この複雑な相互作用は、デジタルとの関わりと睡眠の質の両方が脳活動に大きな影響を与え、思春期の脳の発達に明確な影響を与えることを示しています。」

本研究では、青少年脳研究（Adolescent Brain Study）から得られた10歳から14歳の青少年6,516人のデータを使用した。睡眠時間はミュンヘン・クロノタイプ質問票を用いて評価し、娯楽目的のソーシャルメディア利用はティーン・スクリーンタイム調査を用いて評価した。脳活動は、報酬処理に関連する領域を標的とした金銭遅延課題中の機能的MRIスキャンを用いて分析した。本研究では3つの異なるモデルセットが使用され、予測因子と結果は毎回異なっていた。結果は年齢、COVID-19パンデミックの時期、および社会人口学的特性を考慮して調整された。

キス氏は、これらの研究結果は、ソーシャルメディアの使用と睡眠時間という現代の十代の生活における2つの重要な側面が相互作用して脳の発達にどのように影響するかについての新たな証拠を提供していると指摘した。

「これらの相互作用に関与する特定の脳領域を理解することで、デジタルエンゲージメントと睡眠習慣に関連する潜在的なリスクとベネフィットを特定することができます。この知識は、より健康的な習慣を促進することを目的とした、より正確でエビデンスに基づいた介入の開発につながるため、特に重要です。」 - オルソリア・キス、SRIインターナショナル研究科学者

米国睡眠医学会（AASM）は、13歳から18歳までの10代の若者に対し、定期的に8～10時間の睡眠を取ることを推奨しています。また、就寝の少なくとも30分から1時間前には、すべての電子機器の使用を控えるよう推奨しています。

この研究の結果は「Sleep」誌に掲載されました。