急性呼吸器感染症の頻発は心臓発作のリスクを17倍高める

オーストラリアの科学者たちは、急性呼吸器感染症の場合、特に高齢者に対して、心血管系の状態を注意深く監視するよう勧告しています。

心筋梗塞による死亡者数は毎年着実に増加しています。心臓病患者が効果的かつ適切な治療を受けている高度文明国でさえ、8人に1人が亡くなっています。

オーストラリアの科学者による最新の研究によると、急性呼吸器ウイルス感染症とインフルエンザは心臓発作を発症するリスクを17倍以上増加させます。

この実験には、オーストラリアの臨床センターから心臓発作で入院した約600人の患者が参加しました。専門家は、患者が過去に急性呼吸器ウイルス感染症、インフルエンザ、気管支炎、または副鼻腔炎を患っていたかどうか、またそれらの頻度を調べました。実験参加者全員は、冠動脈造影検査を受けることが義務付けられました。

実験の結果はそれほど楽観的なものではありませんでした。心筋梗塞患者の17%は、急性病変の7日以内に呼吸器疾患の兆候を示していました。また、少なくとも20%の患者は、梗塞発症前の1ヶ月間に急性呼吸器ウイルス感染症を発症していました。

専門家たちは、得られた情報を一般的な統計指標と比較した結果、急性呼吸器ウイルス感染症やインフルエンザなどの感染症は心筋梗塞のリスクを17倍に高めると算出しました。軽い風邪だけを考慮した場合でも、結果はさらに悲観的で、リスクは約13倍に増加します。

「肺炎や気管支炎とは異なり、上気道の感染性病変が後遺症を残すことは稀であるにもかかわらず、診断される頻度ははるかに高い。医師が風邪と急性心血管疾患の関係に注意を払えば、多くの合併症や致命的な結果を防ぐのに役立つだろう」と、プロジェクトの著者の一人であるロルカン・ルアネ氏は述べている。

トーマス・バックリー博士は、この実験が多くのことを説明すると断言しています。例えば、オーストラリアでは冬季に心臓発作の患者が治療のために入院するケースが多くなります。冬季には、地元の病院はウイルス感染症や風邪の患者で溢れかえっています。これらの人々は皆、急性冠不全を発症する素因を既に持っていることが判明したのです。

「おそらく、ARVIやインフルエンザでは、炎症反応と血栓形成の傾向の増加の両方が悪影響を及ぼすと考えられます。さらに重要なのは、微生物の毒性分解産物が心臓の血管や組織に及ぼす影響です」と研究者たちは仮説を立てています。

実験から得られた主な結論は次のとおりです。風邪や急性呼吸器ウイルス感染症の場合、またそのような病気の後数週間は、心臓の働きを注意深く監視する必要があります。