喘息患者の治療費を節約する個別化アプローチ

気管支喘息は慢性疾患であり、アレルギー症状の中でも最も重篤なものの一つです。世界では、呼吸器疾患に苦しむ人の数は4～10%に上ります。

新たな研究によると、軽度の喘息にコルチコステロイドを毎日使用している何百万人もの患者には改善が見られず、症状が出た時だけ薬を使用する患者と同じレベルのままであるという。

テキサス大学医学部の科学者らによると、これらのデータにより新たな治療法の開発が可能となり、ひいては医療の国際基準を変え、患者の費用を削減するとともに、薬剤の使用に対してより柔軟なアプローチを提供することが可能となる。

「この2つの治療法に大きな違いがないという事実は、医師と患者の治療に対する考え方を最終的に変える可能性があります」と、筆頭著者で内科教授兼研究者のウィリアム・カルフーン博士は述べています。「私たちの研究結果は、この分野における重要な先行研究に基づいています。そして、まさに時宜を得た成果と言えるでしょう。なぜなら、喘息は驚くべき速さで人々を苦しめており、医療サービスが行き届いていない国々では、特に劣悪な治療を受けているからです。」

米国では、気管支喘息の患者数は約2,500万人です。医療費は1人あたり約3,300ドルです。高額な治療費に加え、喘息患者は学校を欠席したり、病気で仕事を休んだりするなど、社会生活のリズムを乱すことになります。喘息による死亡者の約40%は45歳以上です。

喘息の治療は、病状の発現に関わらず永続的に行うべきだという意見があります。しかし、この研究はそれとは正反対の結果を証明しました。

科学者たちは、軽度から中等度の持続性喘息患者340人を対象に実験を行いました。本研究の目的は、この疾患の長期治療における3つの異なる戦略を分析することでした。

最初の戦略では、呼気中の一酸化窒素濃度を常に監視し、2 番目の戦略では、病気の症状が現れた場合にのみ患者に薬を服用させ、3 番目の戦略では医師の処方どおりに薬物治療を行う（医師は患者の発言に基づいて患者が服用する薬の量を決定する）必要がありました。

いずれの方法もほぼ同じ結果をもたらすことが判明しました。科学者たちは、患者一人ひとりに合わせた個別的な治療アプローチによって、喘息患者は喘息治療薬にかかる費用を大幅に節約できると結論付けました。

「私たちの研究結果が、患者が医師とより頻繁にコミュニケーションを取り、自分自身の治療戦略の開発にもっと積極的に参加するよう促すことを期待しています」と筆頭著者のウィリアム・カルフーン教授は述べた。

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